幼馴染は変態姉弟!巨根童貞の受難 第③話

この物語はフィクションです。登場する人物、団体名等、名称は実在のものとは一切関係ありません

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「待てよ!離せって!貴也・・・・!」
 掴まれた腕が痛い。隼人はぐちゃぐちゃに混乱したままの頭を精一杯振り絞って、幼馴染の横顔を見つめ、考えた。怒っている。ものすごく不機嫌な時の顔だ。どうすればいい?
 隼人の腕を掴んだまま、引き摺るように歩を速める男は珍しくその頬に汗をかいていた。西日の射すアスファルトはじりじりと、日中に溜めた熱を放出しているかのように揺らめき立っていた。
「なあ、貴也、どこ行くんだよ!」
 同じような建売住宅が並ぶ道沿いを、脇目も振らず無言で歩き進める貴也に、隼人は言い知れぬ不安を覚えた。脳裏に、つい先ほどの、さっと顔を強張らせ立ち竦む貴也の顔が浮かぶ。

 どう見てもそうとしか見えない、とんでもないところを見られて、為すすべなく固まっていたのは隼人ただ一人だった。
「何やってんだよ」
 そう一言、低い声で呟いた貴也はすぐさま床に落ちていた隼人のスラックスを拾い上げ、「履け!」と投げつけた。
「何よ、いいとこで邪魔しないでよ」
「うるせえ!お前も着ろ!服どこだよ・・・・」
 貴也は少し離れた場所に脱ぎ捨ててあった姉の服を拾い、「何だこの薄っぺらいの。相変わらずの露出狂だな」とせせら笑うように言うと、隼人にしたようにそれを美也子に向って投げつけた。
「あんたに言われたくないんだけど。ガキの分際で色んな女とヤリまくってるくせに」
「あ?てめえ、喧嘩売ってんのか?じゃあそのガキに手エ出してるてめえは何だよ!色気違い!」
 貴也の言葉に、美也子はきっと眉を上げ、薄い生地のトップスを握り締めたまま立ち上がった。
「だ・か・ら。あんたに言われたくないって言ってんの!あんただって年上の女いっぱいいるでしょ!えげつないこといっぱいしてるくせに、何かっこつけてんの?ああ、そっか、隼人の前だから?」
 今度は美也子の方が嘲笑うように目を眇め、手にしていたトップスの袖を通した。
「殴るぞデブス」
 貴也の額に筋が立った。整った顔立ちだけに、睨むと妙に凄味がある。それは姉の方も同じで、険のある目つきで弟を見上げたまま、白いミニスカートに足を入れながら、「素チンだからって、僻んだりしないでよ。ねえ?隼人」と最後は隼人の方をちらっと見た。急いでカッターシャツをスラックスの中に突っ込み、ベルトをしていた隼人は「は?」と再び固まった。
「誰が素チンだって?」
「あんたに決まってるでしょ。隼人の見た?カラダもだけど、最高じゃない?」
「でかけりゃいいってもんじゃねーだろ、つーか、俺もまあまあでかいっつーの」
「あんたがでかいのは態度だけでしょ、どうしようもない女好きのくせに、あんたって女見下してるよね」
「俺が見下してんのはてめえだ、変態女」
「人の趣味嗜好をとやかく言う権利あんたにある?それに、私には愛があるけど、あんたのはただの自己満でしょ」
「愛?てめえ、まさかこいつが好きだって言うのか?」
「そうだって言ったら?」
 この姉弟は何を言い争っているのだろう。話の内容におよそついていけない隼人であったが、とりあえず、とんでもないことを自分がしてしまったという思いに胸は潰れそうだった。こんなに顔色を変えて激昂する貴也を、見たことがなかった。これでもう、幼馴染というポジションすら失うのか・・・・
 もう二度と。そのフレーズが頭を過ぎった時、「ふざけんな!」という貴也の声がして顔を上げると、すぐ前に眉間に皺を寄せて睨む彼の眼とかち合った。
「・・・・出ろ」
 貴也は隼人のエナメルバッグを拾い上げると、隼人の肘辺りを掴み、美也子の部屋から引っ張り出した。部屋を出て、階段を転げ落ちそうになりながら駆け降り、玄関を過ぎて家の前の通りに出ても、貴也は手を離さなかった。

  いくら昔から反りが合わず喧嘩ばかりの間柄とはいえ、やはり姉は姉だ。ただの幼馴染、いや、今は疎遠となった昔馴染の男と、どちらが大事かなど答えは明白だった。
 自らどんどん暗い考えに陥っていく隼人はもはや抵抗する力も失せ果てて、貴也の為すがまま、住宅街を抜けた通り、工業団地の手前にある区画の児童公園に連れて行かれた。
 子どもの頃によく遊んだ公園は、照りつける日差しに輪郭を歪ませる錆付いた遊具と、茫々に伸びた草があるのみだった。公園の周りにも人や車の通りはなく、しんとしていた。
 貴也は公園の中心に建つ、幅の広い滑り台と土管型のトンネルが組み合わさった遊具の前で止まり、ばんっと乱暴に持っていた隼人のバッグを投げた。
 殴られるのかと思い、隼人は目を閉じた。だが降ってきたのは拳などではなく、意外な言葉だった。
「良かったか?」
「え?」
「童貞卒業したんだろ」
「・・・・」
「でもあいつとはもう二度とヤるな」
 隼人は貴也の顔を凝視した。その顔に浮かんでいたものは怒りでも蔑みでもなく、痛みだった。何かを必死で堪えているような表情。
「た、かや・・・・」
「もう、いい。やめだ。考えんのやめ」
 何を。その問いは瞬時に搔き消された。遊具の柱に寄りかかるようにして立っていた隼人は、貴也の少し長めの前髪が顔に当たっているのに気付きしばらく茫然とした。
 生温い風に乗って草いきれが香る、その中に、貴也の髪と肌の匂いがした。彼の匂いだと脳が感知した瞬間、隼人の頭の芯がかっと熱く迸った。首の後ろに廻された腕と、吐息の熱さにくらくらする。
「なあ、知ってるか?」
 隼人より10センチ程背の低い貴也は自然上目遣いとなる。隼人は息をするのも忘れて魅入った。
「男同士でも出来んだよ、結構イイらしいぜ」
「な、に言って・・・・」
「女より、あいつよりよくしてやっから。ほんとは童貞切らしてやるのも俺だったのに」
「は?何だよ、それ、お前、何言ってんの?」
 隼人は貴也の腕を振り払い、ほとんど叫ぶように言った。
「何だよ、姉弟で俺をおもちゃにして遊んでたのか?楽しいのかよ、人をからかって・・・・」
 あんまりだと思った。いくら幼馴染とはいえ、だいたいの事には付き合ってきたとはいえ、こんな仕打ちを受けるとは思わなかった。貴也が苛立っていたのは、姉のためなどではなく、美也子とのくだらない競争意識ゆえのことだったのかと思い到り、その道具のような存在の自分があまりにみじめだった。先ほどの美也子の言葉の数々が今更のように蘇る。「色んな女とヤリまくってるくせに」
「おい、隼人・・・・」
「ふざけんな!俺は、俺は」
 お前なんか死んでもごめんだ。そう言いたいのに、言葉が出てこなかった。
「違う、からかってるわけじゃ、ねーよ。なんていうか・・・・嫌なんだよ」
「・・・・何が」
「お前が、女抱くの。すっげー嫌なんだよ。想像しただけでむかついてたまんねーの。その女殺したくなる。さっきもあいつ殴り殺すとこだった」
 隼人は唖然として口を馬鹿みたいに開けたまま、貴也の顔を見つめた。何だよそれ。
「何だよ、それ・・・・それって何なんだよ!」
「何って?え?だから、お前がヤッていいのは俺だけなんだよ!」
「いや、意味分かんねーよ!」
 違う。何か、言語レベルのところでの認識の差異が決定的にある気がした。
 二人の間にはとてつもなく高い壁がある。深い溝が。徐々に痛み出した頭を抱え、隼人は呻いた。
 同じことを思っているはずではあるのに、何だかちっとも通じ合わないこの絶望感は何だ。ぐるぐる思考が行きつ戻りつする中、滅多に見ることのなかった焦りや不安を滲ませたような貴也の表情に、胸を塞いでいた重苦しさもまったく噛み合わない会話への苛つきも、どうでもよくなっていった。何だか無性に笑いたくなってきた。
「貴也、俺、まだ童貞・・・・」
 深い溜め息とともに隼人は呟き、ぷっと思わず笑ってしまった。貴也はまさに、ハトが豆鉄砲食らったように目を大きくして、「は?」と眉を寄せたかと思うと、「んだよ!」と、次の瞬間には隼人の腹に一発拳骨を食らわせていた。
「ってえ!何すんだよ!」
「先に言えよ!ハゲ!」
 次は向こう脛辺りを蹴られて、隼人は蹲った。なんで俺が蹴られる?っていうかハゲって言ったか?
「ハゲてねーよ!お前ふざけんのも」
 立ち上がろうとしたところを上から圧し掛かるようにして抱きつかれ、隼人は草むらの上にどすんと尻もちをついた。
 何だよこいつは・・・・もう訳が分からない。
 分からないがしかし、隼人は自分の身体に掛かる重みにどうしようもない愛しさが込み上げてくるのを抑えられそうになかった。自分のものとはまた違う、骨ばった、筋肉質の硬い身体。丸みも柔らかさもない、その身体を隼人は抱き締め、彼の項に顔を埋めた。
 一体いつからはじまっていたのだろう。
 気が付くと、自分の心にはこの男しかいなかった。おかしいと感じたのは小学六年生の時。貴也が他校の女子に告白されて付き合いだして以降、身体の著しい変化とともに明らかに大人びた雰囲気を纏いはじめた彼に、言いようのない胸の痛みを覚えた。
 ずっと傍にいたはずの彼を、恐ろしく遠い存在へと変えてしまったもの。それが今も自分を苦しめ、そして震えさせている。隼人は震えていた。心臓がぶるぶると震えているような、寒いはずがないのに、この身体の奥底からくる震えは何なんだろう。どくどくと耳の奥で響く鼓動の音は、自分のものか、それとも。
 ぴったりと密着していた上体を起こし、貴也が覗きこむように隼人の顔を見た。切れ長の二重瞼。茶色い大きな瞳はとろりとした液体を張ったように潤んでいた。そこに映る自分の顔がみるみる近付き、輪郭も何もなくなって、隼人は心臓が耳の奥にきたのかというような激しい鼓動を聴いていた。少しかさついた唇の感触はほんの僅かなもので、すぐに互いの唾液で熱く濡れていった。
 頭の芯が痺れてぼうっとする。隼人はぎゅっと貴也の自分よりずっと細い腰を抱き締めた。貴也は膝立ちになり、隼人の肩に腕を乗せたまま唇を離した。
「貴也、俺・・・・」
「じゃ、ヤルか」
「は?」
「ここはさすがにやべえしな、あ、ここ、こん中よくね?ちょっと涼しいかも」
 貴也はそう言って、ぽんぽんと、すぐ傍のトンネル型遊具の外壁を叩くと、さっと立ち上がりトンネルの中へ身を屈めて覗き込んだ。
「あ、思ったより涼しい。ほら、来いよ」
「いや、何言ってんの、お前。意味が」
 意味が分からない。今日何度目のセリフだろう。
 隼人は陶然とした甘い余韻も何も吹き飛び、しょっぱ過ぎる現実に打ちひしがれ、目の前で犬でも呼ぶように手招きする男の顔を見つめた。

 現実は、甘くもなければ、しょっぱくも、酸っぱくもなかった。例えていうならそれは、激辛だった。
 薄暗く狭いコンクリートのトンネル内に引っ張り込まれ、キスをされ、ベルトを外され、本日二度目の御開帳。既に完勃ちのそれを、まじまじと見下ろした貴也は「へええ」と笑って、自分の指を見せつけるようにいやらしく舐めたあと、その手で優しくしごいてきた。
 男だからか何なのか、その手つき指の運びが的確過ぎてすぐにもイキそうになった。それを察した貴也は手を離すと、自分のベルトを外し濃紺のスラックスのファスナーを下ろしてガチガチに勃起したペニスを取り出し、隼人のそれにぴたりと合わせた。
「な、な、何、何すんの」
「一人でイクなよ。俺ももう限界」
 ふうと息を吐くと、貴也は二本のペニスを合わせて持ち、擦り始めた。
 貴也のそれは、太さは隼人のより小ぶりではあったが、長さは同じくらいだった。薄暗いトンネル内でもその色味が隼人のものより黒々としているのが分かった。くちゃくちゃと湿った音が響く。
 隼人の脳味噌の芯は、もう焼き切れて思考停止となっていた。腰を廻し始めた貴也に、隼人は夢中で彼の身体を抱き締め、その律動に合わせて動いた。息が出来ないほどの興奮。眩暈のような快楽。舌を絡め合い、途中歯が当たっても構わず貪り合った。
 互いの汗と青臭い精液、それに、土埃、草いきれ、土管の籠もったような湿った黴臭い臭いがする。けれどもどんな甘い香水などよりも甘美だった。
 ほぼ同時に射精し、二人はぐったりと互いに寄りかかって呼吸を整えていた。
 今まで射精の後はいつもどこか後ろめたく、すっきりする下半身とは裏腹に心は欝々としていた隼人は、ぼうっとした脳味噌で静かな感動を覚えていた。
 身体は汗だくで、制服も何もかもぐちゃぐちゃで、腰や尻は痛くてもうめちゃくちゃな状態なのに、なぜか心が満たされていた。そうか。これが・・・・
「すっげえ、いっぱい出たな。こんだけありゃイケるか?なあ?」
 貴也は右の手のひらを広げて隼人の顔の前に持っていった。零れんばかりの白濁を見せられ、隼人は「何が?」と普通に訊いた。
「何って、セックス」
「は?」
 貴也はよく飲み込めない隼人を放って、「でもこれってすぐ乾くんだよなあ」などとぶつぶつ言いながら、左手でスラックスを腰から下ろそうとした。その時。
「公然ワイセツ罪で逮捕!されちゃうわよ~おまわりさん呼んでこよーかなー」
 明るい女の声が、トンネル内に響き渡った。二人が座る場所から1・5メートルほどの距離にある出入り口に、にやにや笑う美也子のしゃがんだ姿があった。
「あ?てめー何こんなとこまで付いてきてんだよ」
「貴也ぁ、あんた、まさかここで本番する気?何の準備もなしで?隼人のおちんちん、血まみれにする気?」
「んなわけねーだろ。ちゃんと馴らすし」
「馬鹿ね、そんな精液すぐ乾いて痛くなっちゃうよ。ゴムは?それに浣腸も洗浄もしてないでしょ。公共の場でうんこ垂れ流す気?最悪~」
 美也子の呆れたような口ぶりに、貴也は黙り、少し考えるような顔つきをして、「じゃあ、帰るからてめー寮に帰れよ」と言った。
 そして右手を宙に浮かせたまま、器用に左手でファスナーを閉め、さっさとトンネルから出て行った。 すぐ脇の水飲み場からジャーと水の流れる音とともに、貴也と美也子の言い合う声が聞こえてきた。
「何で私が帰らなきゃなんないの。帰ってきたばかりなのに。別にいいじゃない、遠慮することないわよ」
「遠慮すんのはてめえだろ。欲求不満ならどっか男漁りに行って来い」
「ひどくない?あんたねえ。誰のおかげでこうなったと思ってんの?」
「は?よく言うぜ。俺が帰ってなかったら、お前あいつ食ってただろ」
「別に一回くらいいいじゃない。それに未遂なんだからそんな怒んないでよ。すっごい良いジェル貸してあげるから」
「じゃあ、居ていいから、邪魔だけはすんなよ?」
「りょーかい!」
 隼人は震える手でシャツをスラックスの中に入れ、ベルトを締めた。そして息を殺して反対の出入り口へと膝を進めた。やや薄暗く色づき始めた外の景色が、とてつもなく遠く感じた。
「帰ろーぜ、隼人」「行こ、隼人」
 姉と弟、二人の声が同時にトンネルの中に響いた。現実は、多分、想像をはるかに越えて刺激的だ。隼人は恐る恐る振り返り、こちらを覗く二人の顔を見ておのれの運命を悟った。
 彼の受難の日々は今、はじまったばかりであった。


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