一瞬の被虐と、永遠の加虐

この物語はフィクションです。登場する人物、団体名等、名称は実在のものとは一切関係ありません

「僕を叩いて欲しいんだ、思いっきり」

初めて出会った女性に、こんなことを頼むのは賭けに近かった。けれど風花さんは作りものめいた、美しい微笑みを伴って僕にうなずいてくれた。清潔感のある内巻きのロングヘアで、切れ長の二重に守られた瞳で、小ぶりで整った鼻と唇で。

僕たちは少し特殊な趣味を持つ人が集うSNSサイトで知り合った。少し特殊な趣味を持つ人たち、というのはつまり、自分がサディストかマゾヒストであることを自覚している人のことだ。

そのサイトを通して、僕たちはある繁華街のバーで出会うことに決めた。二歳年下で、二十六歳になる風花さんがサディストであることはメッセージのやりとりでわかっていたし、受け入れてくれるだろうという前提はあった。

ただ、初めて会った夜に「そういうことを頼む」という行為が賭けだったのだ。本来、もっと手順を踏むべきだと思う。けれど彼女の艶っぽさ、ゆるいVネックのセーターから見える乳房の谷間を眺めていたら、今日でなければならない気がしたのだ。

僕たちはバーから程近いラブホテルに移動して、順番にシャワーを浴びた。二番目に入った風花さんを待っているあいだ、僕はこれから訪れる状況を想像して、勃起が治まらなかった。

風花さんがシャワールームから出てくる。身体に巻かれたバスタオルからは乳房の膨らみが見て取れたし、その上下からはほっそりとした鎖骨と脚が出ていた。僕はこれから、彼女のものになる。その未来に嬉しさを抑えきれない。

僕は来ていたバスローブを脱いで、鋭く勃起したペニスを風花さんに見せた。一般女性の仮面を脱ぎ捨てた彼女は嬉しそうに、そして可逆的に笑って僕に近づいてきた。そして左手で僕のペニスを握り、右手で僕の肩をゆっくりと押す。

大きなベッドの上に押し倒された僕の唇は、風花さんの唇に塞がれた。彼女の舌が僕の口内に侵入して、一方的なディープキスが展開される。僕はなされるがまま口を嬲られていた。彼女は両手で僕の顔を圧迫する。

やがて風花さんの左手が僕の右乳首を強くつまむ。鮮烈な痛みが走る。その痛みが心地良くて、不覚にも少し涙が出た。呼吸が苦しくなってきてきた頃、やっと彼女が口を離してくれる。それから彼女は立ち上がり、ホテル備え付けのプレイ道具があるボックスへ向かった。

「あった」

風花さんは振り返って、嬉しそうな表情を見せた。手には直径一センチちょっとのロープが握られていた。彼女は仰向けで寝転がったままの僕の方へ戻ってくる。そして僕の特にきれいでもない足に手を這わせて、静かに言った。

「これで縛ってあげる」

言い終わる頃にはすでに、風花さんの手は僕の足の自由を奪い始めていた。どれだけ数をこなしてきたのだろう、非常にスムーズな手つきで彼女は僕の足首を拘束していく。すぐに動かなくなった。動くとロープがこすれ、ちょっとだけ気持ち良い。

持っていたもう一本のロープで、今度は両方の手首を縛られた。これで僕は、完全に身動きがとれなくなったことになる。自由を否定され、知らない女性のなすがままになるしかない。その状況を認識して、僕のペニスは最高潮に勃起する。

「目隠しもあったほうがいい?」

風花さんは訊いてきた。

「いや、風花さんの顔を見ながら叩かれたい」

と僕は答えた。ふーん、とそれだけ言って彼女はボックスに再び向かう。今度は黒いムチを手にして戻ってきた。ああ、僕はこれから、このムチで叩かれるのか。無慈悲に。希望と感動が胸のうちでうごめく。

風花さんはここに来てやっと、バスタオルを脱ぎ捨てた。大きめなのに形の良い乳房、生えている範囲が狭く、少し薄い陰毛が見えた。美しい身体だ、と僕は率直に思う。そして、早く虐めてくれと願った。

唐突に彼女の振るったムチが僕の胸を叩く。瞬間、ヒリヒリとした痛みが浮かび上がってくる。これだ、これを求めていた。美しい女性に、思い切り身体を叩かれたかった。生まれて初めての感覚。

それでも痛いものは痛い。僕は自分の表情が渋くなるのを感じる。それを見た風花さんはとても嬉しそうに、高らかに笑った。僕が痛がれば痛がるほど、彼女は喜んでくれるのだろう。そう思うと、心が引き締まった。

二発、三発、四発。連続して風花さんの持つムチが僕の身体を責めてくる。胸、腹、腕などに瞬間的な痛みが走ってくる。ふと風花さんの表情を見ると、この上なく楽しそうだ。よかった。と気を抜いた瞬間に、僕はうっかり射精してしまった。

ものすごい量の精液が自分の腹の上を満たす。風花さんはムチを振るうのをやめ、僕の腹に乗った精液を舐める。くすぐったいような快感があった。それから彼女は指の腹で残った精液をすくい、僕の口へねじこんできた。

なんとも言えない味が口の中で広がる。その味わいが消えないうちに、今度は風花さんの舌がまた僕の口内へ侵入してきた。精液の味と、彼女の唾液の味が混ざる。息が上がらないうちに口を離すと、彼女は僕を見下ろして言った。

「縛られてするキスは格別でしょう?」

僕がうなずくと、風花さんは僕の萎れたペニスを口に含んだ。どんどん回復するのを感じる。再び勃起を取り戻したら、彼女は無理矢理僕のペニスを彼女の中へ入れるだろう。そういう予感がした。僕は永遠に、彼女に虐められたいと思った。


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