イケないおもらしと快感と。

[小説]1話完結

「あ、くぅ! 出そう……」

 皆が黒板に書かれたことをノートに写す落ち着いた教室。しかし窓際の列、一番後ろに座る渋谷川美波だけは左手で口を押え、もう片方の手でお腹を押えていた。その訳は、おそらく他の人には想像もできない。授業中にも関わらずチェック柄のスカートの下におむつを穿き、さらにその中にリモコンローターが入っていることなんてー。

 白いYシャツの首元の赤いリボン、肩に掛かるくらいの黒い髪。涙袋がしっかりとしている目元。柔らかそうな唇、クラスの中でもトップクラスの美少女の美波は、皆が真面目に授業を受けている時におしっこ漏らさないように我慢していた。

「はぁ、はぁ」

 息を荒くしながら、どうしてこのような状況に陥ってしまったのかを思い返す。それはちょっとした出来心だった。

 

 時間は少し巻き戻り、昨日のことだった。美波は高校2年生になり、少しずつ性に対して興味を持ち始めた。それは思春期の少年少女なら当たり前の話ではあるが、その矛先が少しズレていた。美波が惹かれたのはコンビニの18禁コーナーに置かれていたおもらしをテーマにしたエロ本だった。

 しかしコンビニで制服姿の女の子をエロ本を買うことなど出来るわけがなかった。どうしても読んでみたいという気持ち、想いが強くなるほど自然に下着は濡れていく。

「どうしよう……」

 美波はドキドキした気持ちを抑えるために女子トイレへと入った。スカートをたくし上げるとピンク色のパンティには色が変わるくらいのシミが出来ていた。

「私って、イケない子なのかな? でも、みんなオナニーしたことあるって言ってたし……大丈夫だよね」

 便座に身を置き、そっとパンティーの上から陰部を撫でる。家でオナニーする時とは比べものにならない快感があった。体が痺れるようなその感覚は美波の手をさらに進める。

「あ!ん……」

 Yシャツの上からおっぱいを撫でる。揉みくちゃされるのを想像しながらひたすらと触り続ける。そして、気が付けば、それは一瞬のことだった。

「え!あぁ!」

 パンティーの中に手を入れてまんこに指を入れていた時だった。ちょろちょろと音を立て、黄色いおしっこが流れたのだ。それと同時に頭がボーッとするような感覚に陥り、イってしまった。

 ピンクのパンティーから垂れる黄色の液体を見て、美波は生きてきた中で一番気持ち良い体験をしたと思った。友人からオナニーを教わり、家でコッソリやっていた頃とは遙かに違う快楽。本当はしちゃいけない場所でして、イキながらおしっこをする。

 17歳の美波にとって、それは中毒になるほどの素敵なものだった。余韻に浸っていると、コンコンとドアをノックされる。「ヤバい!」と感じた美波はトイレットペーパーで陰部を拭き、パンティーを脱いで持っていたビニール袋にしまった。

 ノーパンの状態で個室を出て、外で並んでいたお婆さんに会釈をしながら店内に戻った。そして店員の目を盗んでおもらしエロ本をスクールバックへとしまい込み、ジュースを1本だけ買って店の外へ出た。

 そんな美波の姿を見て、口角を上げるスーツを着た男性がいたが、特に何をするわけでもなかった。今はー。

 

 店を出た美波は小走りで家に向かった。ノーパンということで股がスースーして、不思議な気持ちだった。何よりお店の物を盗んでしまったという罪悪感、そしてイクことの気持ち良さを覚えてしまった喜びが心の中で交差していた。

「私、どうしちゃったんだろ」

 家の近くまで着いたが帰る気分ではなく、公園のブランコに座ってため息交じり言う。自分自身が分からなくなった。もう2度とやり直しがきかない間違いを起こしてしまったのか、それとも思春期の成長なのか、よく分からなかった。

 しばらく考え込んでいると、下半身が冷えてしまったのか美波を尿意が襲う。

「嘘、さっきしたばかりなのに……」

 もちろん公園にはトイレがある。しかしまたオナニーをしてしまうのではないか?というちょっとした迷いから足が動かなかった。

「どうしよう、家まで我慢しよ」

 美波はおぼつかない足取りで歩き始めた。家まで普通に歩いて5分。だが今の美波にとっては普段の倍以上に距離を感じていた。6月の冷たい風が吹き、無慈悲にも美波の性器を撫でる。

「ん……ヤダ。少しでたかも」

 ローファーに滴が垂れた。もう長くは保たない。そう思った美波は最後の力を振り絞って派や歩きをした。幸い風も止み、グッとお腹に力を入れながらなら普通に歩ける。家のトイレまで間に合うと思った。

 ようやく玄関にたどり着き、安堵の息を吐きながらドアノブを引いた。

『ガチャ!』

 そんな音が住宅街に響いただけで、ドアは開かなかった。油断と驚きから緩んだ膀胱は、もうすでに放尿を開始していた。ビチャビチャとタイルに落ちるおしっこ。

「嘘でしょ……」

 腰が抜けてお尻を地面につける。ぐっしょりと濡れたスカートと靴下から、尿の香りが漂い美波の鼻孔を刺激した。人生で、はじめてのおもらしだった。

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