思春期の女の子、風呂場でオナる。

[小説]1話完結

女の子は、はしたないとか下品だとか野蛮だとか。そういう言葉で縛られることが酷く多い。

 

だからこそ時々くらいは、発散したいときだってあるのだ。

 

ぐちぐちと粘着質な音を響かせながら、あたしは今日も浴室に籠る。

 

 

 

もともと感じやすかった、というのは語弊があるかもしれない。気づいた時には自分で股間を触っていたから。

 

ただ気持ち良くて、というか気持ち良いという感覚を自覚して弄っていたのか今となってはわからないが、それがオナニーでありそこがクリトリスという性感帯だと知って赤面したのはつい数年前のことだ。

 

今の彼氏にはまだこんなこと言う気はないけど、あたしってちっちゃい時からエッチなのよん?

 

「っふ、ん……」

 

首筋とお腹周りは弱いんだ……自分でそっと撫でるだけでも、じわっとした快感が体の中にひろがる。

 

マゾ気質があるからか、オナニー中にクリを弄る時間はかなり短い。

焦らされて焦らされて、やっと触ってもらえた妄想をしていると直接触らなくても十分エロい気分になれる。

 

今の彼氏と前の彼氏の3P妄想で腰をくねらせているなどと当人たちには言えるわけがないが、オナニー中は真剣だ。

 

二人ともあたしに比べたら大人っぽくて冷静な人たちなので、焦らすと決めたらとことんやるだろう。そこを妄想で補うと、私の体はたちまち甘い液体を零して淫らによがるのだ。

 

目を閉じて、彼らに触れられていることを想像しながら自分で乳首をいじり、硬くなってきたところを爪でひっかく。小さく声が出た。

 

ぶるりと震えた体を抱きしめるように、乱れてきた呼吸を浴室に響かせて、子宮に響く快感を積み重ねる。すでに腫れあがりぐちょぐちょに床を濡らしている股間は、きっと中を覗けば真っ赤になって刺激を待ちわびていることだろう。

 

最初は手のひらでゆっくりとクリを撫ぜる。もう大きくなって突き上がっているのはわかったのだけど、あたしはまだ自分に快感の大波の訪れを許さない。

 

きっと彼らもそうだろうから。

 

「ね、もう、っいいでしょ……?」

 

誰ともなしにか細い声をあげながら、壁に手をついて後ろから腕を股間に通す。例によって『ダメだよ』という台詞がアタマに浮かんで、あたしはさらに興奮する。

 

ローションを小器用に手にとって、膣に中指を入れながらクリを親指で刺激する。小さな手ではあるけれど、そのくらいは何ということもない。これからはもう周りに注意なんて払わない。払えない。

 

指一本でも律儀に反応するのは、焦らし過ぎて鈍麻しかけた膣にとって願ってやまなかった刺激だからだろう。自分が自分でないような、自分の意識が乖離するような感覚はきっと男性でもわかることだ。

 

「ハァ……う、んっ……ね、もっと……」

 

クリを摩ったり、ひっかいたり、押しつぶしたり、本格的にいじめはじめると、下腹部にわだかまっていた快感が熱を持って全身に回るような感じがする。さっきから熱っぽかったのが余計にほかほかしてきて、軽いめまいすら感じる。

 

途切れ途切れに息を継いで、クラクラする視界を閉じて。

思わず早めていた指の動きに呼応するように膣はびちゃびちゃになり、ひくひくと指を締め上げる。クリは大きく張り出し、つるっとした薄皮がぬらぬらと生肉の淫靡さを醸している。

 

「あっ……あぁ、っ……!!」

 

無意識に力んでいた足から力を抜くと、ふわっと頭が白くなった。どっと快感の波が押し寄せてきて、もう何もわからなくなる。

 

続いて緩やかな気持ちよさが2~3度襲ってくるのを、壁に肩をもたせたまま感じていた。びくびくとけいれんさえしているのは自分でもわかるが、もう何がなんなのかよくわからない……あるのは、純粋な快感だけだ。

 

少し息苦しさが楽になってきて、ひんやりとした浴室の温度に気づく。

いつもは浴槽に湯を張った状態でスるので、熱気に満ちた風呂場なのだが、今日は夏場ということもあり少しシャワーを出しただけで最後までいったのだ。

 

風邪をひくかもしれないというのもあるし、寒いと自慰に集中できないというのもある。

あたしも一応女の子だから、手足の先は冷えやすい。

 

まだ少しぼーっとしたまま、だらだらと粘液を垂らす床にシャワーをかけ、少し擦ってぬるぬるを落とし、後始末をする。

 

母さんにはともかく、父さんにばれるのはなかなか気まずいものがある。あたしは物理的なオカズがいらないから、現場を見られるかこういう跡が残っていることに気づかれなければ、清純の皮をかぶっていられるはずだ。

 

この年頃の女の子で、そういうことに興味がない方が不思議というのは確かにあるけれど。

 

ふと左手の壁を見ると、高さ1メートルくらいの鏡があった。そういえばいつもは曇っていて使い物にならないけど、今は涼しくてつるりと綺麗にあたしがうつっている。

 

頬を上気させ、ぺたんと床に座り込んだまま目を合わせるあたしはなんだか滑稽で。少し気恥ずかしくなる。

 

今度は鏡を見ながらシてみようかなあ……なんて考えてみる、深夜2時だった。

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