[su_button url=”//hentai-alliance.com/archives/8845″ background=”#0088B2″ size=”2″]第①話へ[/su_button]
「飯塚さん、早く入りなさい」
牧村が有無言わさない口調で睨みつけてくる。
「……」
入る意志はあるのだが、足が動かない。
迫りくる危険を察知して、身体が中へ入らせようとしないのだ。
「あなた、いつまでもお嬢様気分が抜けないようね……」
「あっ……」
綾音は腕を掴まれると
「さあ、中に入るわよ」
引っ張り込まれるような形で、部屋に入った。
ドアの閉まる音を聞いた時、もう逃げられないという事実だけが重くのしかかった。
汗に混じった、温かい生の女の臭い。そして声。
目の前の光景より、それに綾音は顔をしかめた。
十畳ぐらいの部屋に女が五人、自慰をしていた。
はだけたブラウスから乳房を露出させ、スカートとエプロンを捲っている。
ショーツはつけておらず、膝を折って股を開き、恥ずかしい秘部を明かりの下に晒している。
並んだ五つの秘部とそれをいじる手は、湧き出た淫水にまみれ、怪しい光沢を放っていた。
服装は全員同じで、メイドが着用を義務づけられている服装だった。
そんなメイド逹の脇に、波打った髪を肩の辺りで揺らしている女性がいる。
牧村と同じような丈の長いドレスを着ており、自慰をする女逹の方を見下ろしていた。
「早くイキなさい。一番遅い子は…判っているわよね?」
秘部を覗き込むようにして、女が言う。
それを合図とするかのように、五人の女逹の淫らな動きは早くなり、声が大きくなる。
「彼女は奉仕メイドの教育係、高坂未知絵(こうさかみちえ)よ」
その光景に脅える綾音の耳元で、牧村が呟いた。
逃げられないように、腕だけはしっかりと掴まれている。
「奉仕メイド?」
知らない単語に、綾音は聞き返した。
「これは、牧村様……」
その声が聞こえたのか、振り返った高坂が言った。
一礼して二人の方に近づいてくる。
少し瞳の大きい女性で、牧村ほどとは言えないまでも、美しい部類に入る女性だった。年齢は三十半ばぐらい。
着ているドレスの胸もとが窮屈そうに見えるほど、大きな胸をしていた。
綾音にとっては、脅える要素が増えただけである。
「あら、新しい子?」
高坂が綾音の方を見る。
その言葉に悪寒が走る。
奉仕メイドという名称は知らなかったが、なにをするのかは、目の前の光景で充分に理解できた。
そして、絶対になりたくないことだけは確かである。
「いえ、まだそういう訳ではないわ。今回は特別指導ね……」
「そうですか…という事は部屋ですね」
「ええ。それに、ちょっと見学させて欲しいの。
ヘマばかりすると、どういう事になるかを見せておきたいのよ」
二人の会話を聞いているだけで、綾音の頭の中はどうにかなってしまいそうだった。
その間も、女逹は恥ずかしげもなく、淫らな行為を続けている。
「そこのソファにでも座って、見学して下さい」
「ええ、そうさせて頂くわ」
綾音は自分の意志とは関係なく、部屋に入ってすぐ左側、手前にあるソファに座らされた。
二人用で、牧村も綾音の隣に座った。
高坂はそれを見届けてから、元の場所へと戻る。
中央で自慰をしている女のすぐ横に立ち、秘部を覗き込む。
「いい濡れ具合よ。お蜜もいい感じだわ、そろそろかしら?」
「あんっ…は、はい…んんっ! ああんっ! ああんっ!」
左手の人差し指と中指で双丘を裂き、右手の中指を露になった秘口へと抜き差しする。
少し距離があるとは言え、生々しい行為は充分に見てとれる。
急に恥ずかしくなり、閉じている太股に力を入れる。
見ていられなくなり、そこから視線を逸らせた。
「あ、あの子……」
一番右端で行為をしている女の顔が見えた時、そう呟いていた。
今日、一緒に仕事をしていた、ショートカットの女の子である。
他の女逹と違って、秘部に触っているだけような、ぎこちないやり方だった。
「ああ、端の子は有本沙菜と言って、最近奉仕メイドになったの。
御両親はユーポン証券という証券会社を経営していたわ」
視線の先に気付いたのか、牧村が簡単な紹介をする。
「あの……」
三ヶ月ぐらい前に、倒産した事を新聞の記事にされていた会社だった。テレビにCMを流すような大きな会社なので、名前ぐらいは綾音も知っていた。
「多賀家に三億もの借金があるのに、御両親、あの子を見捨てて姿をくらましてしまったの」
「それじゃあ借金は……」
「そうよ。
あなたのお父様は優秀だから、多賀家に損失を出すようなことはしていないそうよ」
「……」
そう言われても、この状況ではあまり嬉しくはない。
「取り引きには表と裏があるわ。
交渉を有利に進める為に、女としての奉仕が求められる場合もあるの。奉仕メイドというのは、普段はメイドと同じようにお屋敷の雑務を担当するけど、必要な状況になれば、お客様を喜ばせる為に奉仕をするメイドの事よ」
牧村の話は、震え上がってしまうような話だった。
綾音には関係のない話…のはずである。
「多賀家は裏社会とも通じているわ。たまに逃げ出す子もいるけど、すぐ捕まえられて戻って来るの。
判るでしょう? 逃げる事も、破産も、絶対にさせないのよ。
当然、世間ではこんな事、許されるはずないけど、ここは特別なよ。
警察もマスコミも、多賀家に手を出そうとはしないわ」
その言葉に、綾音は唾を飲み込む。
「今回のあなたの失敗は、多賀家にとってそれほど大したことはないけど、それが続くと困るのよ。
これも躾の一環よ」
綾音はまた、唾を飲み込んだ。湿った生温かい空気なのに、喉は緊張と恐怖で渇ききっていた。
「あああんっ! あああんっ! もうだめ…だめっ! あああああーっ!」
狂ったような絶叫と共に、中央の女の動きが止まった。
「はい、良かったわよ」
高坂が頭の方へと回り、白い綺麗なショーツとタオルを女に差し出した。
「ありがとうございます、未知絵様」
女は身体を起こしてそれを受けると、頭を下げる。
順に自慰をしていた女たちは絶頂に達していった。
最後に残ったのは、有本だった。
「もういわわよ、沙菜」
高坂の対応は、他の女逹へのものとは、明らかに違っていた。ショーツやタオルを差し出す事すらしていない。
「も、申し訳ありません……」
行為を止め、寝たまま謝る有本。
「判っているでしょう、早く起きなさい?」
「お願いです、それだけは……」
身体を起こし、裸のまま土下座する。
「これは決まり事。
あなたがどんなに謝っても、変更は無しよ」
冷たく言い放ち、スカートのポケットに手を入れると、有本の前に取り出したた物を落とす。
「ああ…それだけはお許しを……」
それを見た有本は、高坂にすがって許しを乞う。
有本の前に落とされた物は、男根象った、いわゆるバイブレーターと呼ばれる物だった。
「ダメよ。向こうの部屋でそのバイブを使す、二十回イキなさい。今ならまだ濡れているでしょう?」
すがりつく有本を振り払う。
「明日はみんなお休みなんだから、協力してあげなさい。
必ず二十回イクまで、帰してはダメよ。
ビデオにちゃんと撮っておいてね。後で回数を調べるわ。
回数間違ってたりしたら、あなた逹も同じ目にあって貰うわよ」
「はい、未知絵様」
高坂の言葉に、四人の女逹が返事をした。
綾音の方を見る者もいたが、すぐに有本の方へ視線を戻した。
「行きましょう、有本さん。仕方ないわ……」
「いやっ、いやいやいやいやーっ!」
狂ったように頭を振る有本。
女二人がそんな有本の両脇を抱えた。
「お蜜が足りないのなら、ローションを使いなさい」
「助けてーっ! いやーっ許してぇぇーっ!」
足をバタつかせて抵抗するものの、女性二人に引きずられるようにして、有本は右隣の部屋に続くと思われるドアの奥へと消えた。
防音がされているのか、ドアが閉められると、外からの声は一切聞こえなくなった。
さっきまでの騒ぎが嘘のように、静まりかえる部屋。
嫌な臭いだけが漂っている。
「飯塚さん、次はあなたの番よ」
高坂がこちらを向くのと、ほぼ同時に隣から聞こえた
今の綾音にとってそれは、死刑の宣告も同じだった。
[su_button url=”//hentai-alliance.com/archives/8856″ background=”#0088B2″ size=”2″]次話へ(未公開ならTOPへ)[/su_button]
コメント