処女探偵アリサのセックスシンドローム 第④話

[小説]短編

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「そうですか・・・彼は新堂露夢という名前ですか」
 街中の喫茶店で、アリサは今回の依頼人である葛城レイコに中間報告を行っていた。
「申し訳ありません。今のところ、情報はそれだけです。まだ、彼の真意については掴めていません」
 頭を下げるアリサに、葛城レイコは資料をめくりながら柔らかい口調で言った。
「いいのよ、焦らなくて。あなたはあなたのペースでやってちょうだい」
 ・・・え?ため口?
 驚きが表情に出てしまったアリサに気付いたらしく、葛城レイコは慌ててかぶりを振った。
「あ・・・?失礼しました。ありがとうございます。引き続き調査を宜しくお願いいたします」
 葛城レイコは言葉使いを訂正して、アリサに頭を下げた後、じっと彼女を見た。
 何の会話もない二人の見つめ合いがしばらく続いた。
「あの・・・どうかされました?」
「あ、ごめんなさい。娘のことを思い出してしまって」
「娘さんがいらっしゃるのですか?」
「ええ、もうこの世にはいませんけどね。生きていれば・・・たぶん、あなたと同じ年くらい」
「それは・・・ご愁傷さまです」
 アリサは頭を垂れながら、もし母が生きていれば、今頃は葛城レイコくらいの年齢なのだろうなと思った。美人で自慢だった母だ。今頃はいい年の取り方をしていたと思う。
「それでは、今日はこれで失礼します。次はもっと有益な情報を提供できるかと思います」
「よろしくお願いしますね」
 アリサは頭を下げると伝票を手にして店を出た。
 町には下校中の高校生が溢れていた。どこにでもいそうな普通の高校生たち。新堂露夢もこの子らと同じ高校生なのだ。
 この高校生たちも、彼のように純真そうな笑顔の裏には悪魔のような牙を持っているのだろうか、と考えるとうすら寒い思いがした。

 アリサが帰った後も、葛城レイコは資料を眺めながら残りのコーヒーを口に含んでいた。
 その目は、アリサが撮影した新堂露夢の写真に一心に注がれていた。
「失礼しますよ」
 思いを巡らしている葛城レイコの前に一人の男が座った。
「葛城レイコさん・・・とお呼びすればいいんでしょうかね?」
 葛城レイコが目を上げると、そこにはハンチング帽をかぶった宮藤良介がいた。

 アリサにとって悪夢のような一週間だった。一回りも年が違う男の子にまんこの匂いを嗅がれた上に、放尿姿までも見られてしまった。
 こうして便器に腰かけて小用を足していると、世界から隔離されたトイレと言う個室が何て平和で憩いの空間なのだろうと思ってしまう。
 ついでにうんこもしようと思ったが、今日も出なかった。ちょっと便秘が長いかもしれない。
 アリサがまんこティッシュで股間を拭き取り、手を洗って個室から出ると
「ううー、漏れる漏れる―」
 と、どこからか帰ってきた妹のナナが入れ替わりに飛び込んできた。
 ばたんと扉が閉まり、衣擦れの音が聞こえた後、ジョー!と元気いっぱいな放尿音が響いてきた。
 アリサは、すぐさま立ち去ろうと思っていたが、いつしか、その音響を扉越しに聞いていた。胸がドキドキして股間がキュッと締まる感覚を覚える。
 ・・・ちょっと待って。妹のおしっこに私は何を感じているの?
 新堂露夢に見られながら、缶の中に放尿した先週の自分の姿が思い浮かぶ。もちろん、まるで凌辱されたかのような恥辱は味わった。だが、どこかで人前で全てを開放して放尿すると言う行為に、しびれるような解放感を覚えたことは確かだ。
 ・・・ヘンタイだ、私はヘンタイだ・・・
 アリサは、立っていることもままならず、その場に膝を落とした。
「あれ?どうしたの?トイレ待ってた?ごめーん、お姉ちゃんが持ってきたまんこティッシュで拭いていたら、ついムラムラしちゃって」
 トイレから出てきたナナが、座り込んでいるアリサにあっけらかんと言う。
 自分の変化に気付いていない明るいナナの笑顔を見て、アリサは罪悪感にも似た味わいの苦さを感じるのだった。

 アリサが部屋に戻ると、依頼してあった新堂露夢の戸籍が届いていた。
 やはり、あの少年はシンドー産業の御曹司だった。次から次へと出てきたシンドー産業のレアグッズがそれを既に物語っていた。
 シンドー産業は昭和中期に新堂宗吉と言う人物により創業されたエログッズ開発の会社だ。
 今でも、代替わりはしているものの基本理念は変わっていない。ただ、エログッズのみならず風俗産業全般に手を広げており、特に二代目になってからは会社も拡張して莫大な利益を上げているようだった。
「なんだい、エログッズ会社のサイトなんか見て。アリサもそういう年頃か?」
 いつの間にかアリサの背後から良介がモニターを覗き込んでいた。アリサは慌ててノートPCを閉じた。
「仕事ですよ、仕事!」
「そうか。最近、部屋でシンドーのグッズを見かけるからね。ついにアリサも目覚めたのかと思ったよ」
 良介は椅子に腰かけると、買物袋を開きながらアリサの背に話しかけた。
「ただ、もうそれくらいにしておけ」
 良介の言葉にアリサは振り向いた。そこにはいつになく真面目な面持ちであずきバーをかじる義父の姿があった。
「捜索人の身元と住所がわかったんだろ?それで十分だ。依頼人にそれ渡して、もうこの仕事は終わらせろ」
 アリサは唇を噛み締めながら、厳しい面持ちを良介に返した。
 まだ、葛城レイコレイプ事件の真相は明らかになっていない。そして、それ以前に与えられた屈辱を晴らす機会も訪れていない。
 もちろん、良介にもナナにも新堂露夢から味わった恥辱のことは伝えていない。
 確かに、仕事の範疇を超える私怨があることは理解している。しかし「手を引きなさい」「わかりました」と素直に従う自分は持っていない。
 これは私のプライドだ。
 アリサは無言のまま、部屋を出て行こうとした。向かう先は、新堂露夢のもとだ。
「アリサ、一つだけ聞いてくれ」
 アリサの背に良介の言葉がかかる。
「俺は、常に物事から逃げてきた男だ。確かに逃げるのは恥かもしれない。だけどな、逃げられる場所がある限りは逃げ続けたっていいんだぜ」
 アリサは良介の言葉を背中で聞いていた。振り向くことはできなかった。振り向けば涙であふれそうな顔を見られてしまうからだ。
 本当は、自分も逃げたいんだ。もう二度とあんな屈辱は味わいたくない。探偵をやめて司法試験の勉強に逃げたいんだ。
 でも・・・
「だから、いつでも逃げて来いよ。俺とナナのところにさ」
 アリサは肩の震えを押さえながらゆっくりと頷いた。
「ありがとう、お義父さん」

 アリサが出て行った部屋で、良介は二本目のあずきバーを口にしていた。
 ・・・初めてだよな、あいつが俺を所長ではなくてお義父さんって呼んでくれたのは。
「ホントは、パパって呼んでほしかったのにねえ」
 感慨に浸る良介に声をかけたのはナナだった。
「聞いてたのかよ」
「うん、どっかの家政婦みたいに」
 そして、ニコニコしながら良介の前にコトンとマイクロレコーダーを置く。
「調べてきたよ・・・新堂露夢のこと」

 アリサは再び工場跡地に訪れていた。
 見上げると、雲一つない青い空が広がっている。
 工場の周りの広場では、保母さんに引率された幼稚園児たちが楽しそうな声を上げながらお遊戯に励んでいた。
 きっと、保育園と言う限られた敷地では子供たちものびのびと遊べないのだろう。狭い空間から解き放たれた小鳥たちが世界を楽しんでいるような姿だった。
 そんな微笑ましい光景を潜り抜けて、アリサは工場内に入った。
 外の喧騒とは裏腹に、中は静まり返っていた。
 この中のどこかに新堂露夢がいる。出かける前におしっこも済ませてきた。今度は前回のようなことはない。
 今日こそは、あの少年の口から真相を聞き出してやる・・・と、アリサが拳を握ると同時に、全身に電流のような衝撃が走った。
 ・・・え?またこのパターン・・・
 アリサは、学習しない自分の行動パターンを呪いながら、その場へと倒れこんだ。

「こう言う形で再会することになるなんて残念だなあ」
 アリサはロープキングダムに縛られた状態で、地面に転がされていた。
 そんな彼女の前には、毎度の如く、電光安寿丸を手にした新堂露夢がいた。そして、今日も彼を守るように祥子とグーンの姿もある。
 必死に体をひねるアリサだが、拘束はびくともしない。
 言葉を発しようにも、今日は口にボールギャグがはめ込まれていた。
「ごめんね。今日は外が子供たちでいっぱいだからさ、大きな喘ぎ声を出されると困るんだよね」
 露夢が外を見ながら言う。壁一枚隔てた外では、幼稚園児たちがお遊戯しているのだ。
 露夢は膝を折ると、アリサにぐっと顔を近づけてきた。純真そうな笑顔の裏には、悪魔が潜んでいる。
「どうしてこうも僕に執着するのかわかんないな。お姉さん、ストーカーみたいだよ」
 アリサはツバの一つでもひっかけてやりたかったが、玉口枷が口の動きを抑え込む。
「あんまりしつこいからさ、ちょっと祥子にお姉さんのことを調べてもらったんだよ」
 露夢はしゃがんだまま、祥子からタブレットを受け取ると、収納されているデータを見ながらアリサに語り掛けてきた。
「宮藤アリサ27歳処女。△△大学卒業後、叔父の事務所に就職して探偵稼業を行っている。2回も司法試験に落ちているんだ。バカなんだね」
 アリサは露夢を睨みつけた。調べ上げられていることは何とも思わない。自分も同じくらい新堂露夢の情報はつかんでいる。
「まあ、バカだと思っていたよ。賢い子はまんこも臭くないし、人前でおしっこなんてしないからね」
 アリサの顔が紅潮する。バカはわかっているが、好きでまんこを匂わしたり、放尿したりしたわけではない。
 眉を吊り上げるアリサを見下ろしつつ、露夢はタブレットの画面をアリサに見せた。
「ご両親は、宮藤海斗とミツコ。ただ、君が学生の頃に事故で亡くなっているね」
 そこには、亡くなった彼女の両親の画像があった。
 アリサの喉が声にならない驚きをあげる。身元は調べればわかる。しかし、没後10年以上たっている人物の画像の入手は容易ではない。
 何処からその写真を!?とアリサは問いただしたかったが、ボールギャグが邪魔をする。
 そんなアリサの疑念を察したかのように、露夢は薄笑いを浮かべた。
「たまたま入手できたんだよ。お姉さんは何も知らないだろうけどね」
 露夢がタブレットをスワイプすると、次に良介とナナの写真が表示された。
「今は事務所所長で叔父の宮藤良介と、姪の宮藤ナナとの3人暮らし。ナナちゃんは僕と同い年か。どこかで会ってるかもね」
「宮藤良介・・・不思議と聞き覚えのある名前ですね」
 露夢の背中越しに祥子が口を開いた。
「そうだね。お父さんと叔父さんは、お姉さんが知っている以上に有名みたいだよ」
 アリサは唖然としていた。この短期間で自分に関わる人間まで、露夢は調べ上げていた。
 それは、個人でできる範囲ではない。アリサの身辺を調べ上げたのは、間違いなく露夢の背後に控えるシンドー産業だ。
「これでわかったかな?僕たちの情報収集能力はお姉さんより遥かに上だ。でも、お姉さんがおとなしく手を引けば僕ももう関わらないよ」
 露夢は懐にタブレットをしまうと、今度は小さな球体ポンプを取り出した。
「もっとも、お姉さん、バカだもんね?ダメ押しにバカでもわかるようにご褒美をあげる」
 透けている球体ポンプには、液体が波打っていた
「これは、オカンチョウサンと言ってね。SM初心者向けの浣腸なんだ。腸に優しい成分を配合しているから、初めての人でも安心だよ」
 次の瞬間、祥子がアリサの腰に左腕を回して体をロックすると、素早い動作でベルトを外し、パンツと下着を一気に下した。白いお尻の割れ目が曝け出される。
「・・・!」
 そして、祥子はアリサを小脇に抱えたまま、尻肉を左右に押し広げた。薄紅色に染まった肛門様がお披露目される。
「・・・!!!!!!」
 肛門様が外気に触れて、アリサの背筋にぞくっとしたものが走る。毎日、風呂やトイレで晒してはいるが、普段とは違う刺激がアリサを襲った。
 露夢はオカンチョウサンを手にしたまま、アリサの背後へと回った。そして、祥子によって解放されたアリサの肛門様を覗き込む。
「ケツ毛ひどいね。田舎の猿みたいだ」
 そして、オカンチョウサンの先のノズルでアリサのケツ毛をかき分ける。
 その不快感にアリサは身をよじるが、強靭な祥子の尻肉ロックから逃れられない。
「尻肉の深いケツ毛を抜けると、そこは肛門だった」
露夢はノーベル文学賞作品の様に呟きながら、姿を見せたアリサの肛門様を覗き込んだ。
「お姉さん、まんこも汚かったけど、お尻の穴も汚いね。便秘気味でいつも気張ってるんじゃない?ちょっとはみだしちゃってイボ痔になりかけてるよ」
 露夢は実況しながら、グサリとノズルをアリサの肛門様に挿し入れた。
 その瞬間、アリサの脳裏には、子供の頃、高熱が出て、母に座薬を入れてもらった記憶がフラッシュバックされた。
 ・・・痛くない、痛くないからね
 身を固くしていた幼き日のアリサにかけられた今は亡き母の優しい言葉が蘇る。
 懐かしい声・・・しかし、アリサはつい最近、その声をどこかで聞いたような気がした。
「お姉さんは結構美人だから整形の必要はないけど、まんことお尻の穴はメス入れた方がいいかもね」
 声・・・整形・・・
 そんなアリサの記憶をかき消すように、どこかで喜びを隠せない露夢の冷徹な言葉とともに、ポンプの液体が彼女の直腸にどくどくと注ぎ込まれた。

「そろそろ時間でございます。本人も便意を感じているようです」
 祥子が露夢に報告する。
 アリサは肛門に受けた刺激の前に力を失い、お尻をむき出しにしたまま、地面に横たわっていた。
 ただし、浣腸効果は次第に牙を剥き始めていた。グルグルグルとお腹がうなりを上げ始め、生ぬるいものが肛門様を押し破ろうとしている。
 その様子を見て、露夢はアリサのボールギャグを外した。
 声を得たアリサは、口中に溜まっていたよだれが流れるのもかまわず、露夢に懇願した。
「お願い!トイレ行かせて!」
 もう限界がそこまで迫っている。前回は小便だが、今回は大便だ。さすがに目の前で脱糞させられるくらいなら、舌を噛みきって死ぬことを選びたくなる。
 すると、露夢は意外にも優しい口調で言った。
「この前はトイレを用意してなくて悪かったね。僕も反省して、今日は準備しておいたよ」
 露夢の指さした入り口近くには、被災地などでよく見かける簡易トイレと、それを運んできたと思われるフォークリフトが置いてあった。
 そして、露夢はワンタッチでアリサを縛り付けるロープを外した。
「さあ、お姉さん、思いっきりうんこしておいでよ。あそこまで間に合えばいいけどね」
 アリサはよろよろと立ち上がると、下腹部に刺激を与えないようにゆるゆると歩き出した。
 走れば、既にカウントダウンに入っているうんこが一気に漏れてしまいそうだったからだ。
 ・・・耐えろ、アリサ、負けるな、アリサ、明日を信じて今日も飛べ!
 アリサは必死に肛門様を締めて自分を鼓舞しつつ、遂にトイレへとたどり着いた。
 ドアノブに手をかけて一瞬だけ振り返ると、はるか遠くに片笑いを見せる露夢と、表情を変えない祥子とグーンの姿が見える。
 ・・・出しきった暁には、今度こそアンタを!
 そんなアリサを扉の向こうで待ち受けていたのは、白鳥型のおまるだった。
「あいにく水がないからね。それで勘弁してほしいな」
 閉めた扉の向こうから露夢の楽しそうな声が聞こえる。
 しかし、もう限界だ。迷っている余地はない。
 アリサは即座におまるにまたがると、取っ手を握った。
 ブボーっと、アリサ史上経験のない巨大放屁が個室を揺るがすと、次の瞬間、ものすごい勢いと匂いとともに、土石流のような大便がアリサの肛門様から流れ出した。
 便秘気味でよっぽど溜まっていたのだろう。留まるところを知らない排便がおまるに吸い込まれていく。
 オカンチョウサンの成分効果のためか、排便に痛みはない。むしろ肛門様が押し広げられる心地よささえ与えてくれる。アリサは恍惚に満ちる自分の表情に気付いていなかった。
 だが、アリサはあまりの快感と安心感を前にして、次第にトイレが浮き上がっていく変化に気付いていなかった。
 便秘のもととなっていたと思われる拳骨のようなうんこがゴロンとおまるに落ちた時、外から露夢の声が聞こえてきた。
「さて、そろそろいいかな。この仕掛け、結構お金かかったから楽しんでほしいな」
 蓋をしていた塊が排出されて堰を切ったようにうんこが流れ出したと同時に、露夢の元気な声が轟いた。
「じゃあな!ケツ毛ジャングルババア!」
 掛け声と同時にトイレの扉が全開した。同時にアリサの体がおまるごと押し出される。
 そして、アリサはまるでスキーの滑降のようにおまるにまたがったまま、外へと滑り落ち始めた。
「ちょ・・・ちょちょちょ!」
 お尻を出したまま、目と口を最大限に見開くアリサが滑りついたのは、野原のど真ん中だった。
 工場からはそう遠くない。見上げると個室トイレがフォークリフトにより高い位置に盛り上げられており、更には丁度滑り台のように外へとスロープが形成されていた。アリサはおまるごと外へとはじき出されたのだ。
 ・・・な、なにが起こったの?・・・
 その時、アリサは周りから刺さる複数の視線に気づいた。
 はっとして振り返ると、先ほどまで野原で遊んでいた幼稚園児たちと保母さんがあっけにとられた表情で壁を作っていた。
 アリサも子供たちも状況が理解できていない。やがて、一番聡明そうな男の子が冷静で的確に状況判断されたコメントを発表した。
「あのお姉ちゃん、うんこしてるぞ!」
 第三者的に状況を解説すると、幼稚園児に囲まれた27歳処女が、白鳥おまるにまたがってうんこしている姿がそこにあった。
 保母さんも子供たちの目を塞ぎつつ、口をあんぐりさせている。
 だが一度爆発した子供たちの好奇心は押さえきれなかった。
「ケツだけ星人だー!」
「見ちゃいけません!」
「お姉ちゃん、うんこくさーい」
「嗅いじゃいけません!」
 アリサは何が起こっているのか理解できなかった。そんなアリサの動揺をあざ笑うかのように、尻の穴からうんこ終了を告げる残りのメタンガスが大音量とともに出た。
 唖然としている保母さんたちを尻目に、そのマヌケな音に子供たちから歓声が上がった。
「屁だー!」「ぷーぷーぷー!」「おならぷー!」
 笑いが巻き起こる中、アリサは極めて冷静に「失礼いたしました」と背中で保母さんたちに謝ると、おまるを股に挟んだまま、ガニ股で工場内に戻った。
 連続する流れに状況が把握しきれない。ただ、ドッキリカメラを仕掛けられた芸能人はこんな気持ちなのだろうなあ、と思った。
 工場内に既に3人の姿はなかった。お情けなのかトイレットペーパーがひと巻きと、なぜか脱毛クリームが置いてあった。
 追いかけてこようとしていた子供たちは、きっと保母さんが静止してくれているのだろう。アリサは、お情けペーパーで尻の穴を拭った。
 心は既に明後日の方向に飛んでいて空っぽだった。
 きっと、この後、家に帰って、シャワーを浴びて、夕ご飯を食べて、テレビでお気に入りのドラマを見て、すうっと心を落ち着かせる。ただ、平穏に戻った時、この時味わうべきだった凌辱感が一気に襲い掛かってくるはずだ。その時、心が折れるのならば、このゲームはアリサの負けだ。
 お義父さんは、逃げてもいいと言ってくれた。しかし、アリサはやっぱり逃げるのは恥だと思う。
 吹き終わって汚れたペーパーをおまるに投げ捨て、アリサは下着とパンツをずり上げて、ベルトを締めた。
・・・私は逃げない、とことんまであなたを追い詰める。
 おまるにまたがるアリサに更なる炎が燈るのであった。

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