不能の果て~彼女の本性を知った僕~ 第④話

自慰性愛

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拓郎は気乗りしないながらも、奈未の言う通りに何かに打ち込んでいた方が、美也のいない寂しさを感じずに居られた。美也からのメッセージを受け取った時、以前美也に感じていたような愛情は、何か別のモノに変質していた。

奈未の言う通り、美也はただ、外聞の良い男を選んでいるだけかも知れない。

美也を下宿に招き入れた拓郎は、空虚な気持ちで奈未に連絡を入れて、美也と話した。

美也は、案の定復縁を望んだ。自分でも自分勝手だとは分かっているけど、私も混乱していたの。許してほしい。またやり直したい…

美也のことばに絆されそうになったが、これは奈未の「拓郎が男として有能である」という噂に騙されていることが前提であることを思い出すと、業腹だった。

「悪いけど、今は奈未と付き合っているから」

と言うと、美也は

「そんな、何であの子なの?奈未は拓郎がカッコ良くて頭が良いから近付いてきただけよ」

と縋りついてきた。以前は愛しくてしかたなかった華奢な手が、今は汚らわしく感じる。少なくとも奈未は、事故で不能になった拓郎をアッサリ切り捨てたりしなかった。口は悪く、派手な女だが、この数か月、失意の拓郎の心の支えになっていたのは、奈未だった。

「無理だよ。もう」

「待って」

そう言って、美也は自分の胸に、拓郎の手を押しつけさせ、潤んだ瞳で拓郎を見つめた。ややあって、美也は「来て」と拓郎の耳元で囁き、ブラウスとプリーツのスカートを脱いで、下着姿でシングルのベッドに体を横たえた。拓郎は、ムラムラとした復讐心に駆られて、美也の体に近付き、ブラジャーをずり下げた。

「お前、ド変態だな。結局ヤリたいだけじゃないか」

「あ、ごめんなさい…あっあ…」

美也の細い体を抱くのは久しぶりだった。そこら中舐め回してから、足を開かせると、美也は激しく喘いで、体をくねらせた。

「静かにしろよ」

膣内を指で掻きまわすと、どんどん喘ぎ声が大きくなっていく。それに連れて、隣人から響くテレビの音が大きくなった。

「あ、ああ。やっぱりスゴイね。拓郎…」

「馴れ馴れしくするなよ。俺は奈未と別れるつもりなんてないし、お前に失望してるんだから…」

「そ、そんな。じゃあどうしたら許してくれるの。どうして、よりにもよって奈未なの?あんな子と付き合ったって、拓郎不幸になるだけよ!」

「じゃあ、お前はどうだったんだよ。自分の幸せより俺の幸せを考えてくれたのかよ」

「そ、それは、拓郎が事故の時もずっと看病して…」

「勃起不全になったって言ったら、あっさり離れていったじゃないか」

「だから、それは、ちょっと考える時間が必要だから…」

「それで。何を考えたんだよ。奈未と俺がセックスしてるって聞いたから、戻って来ただけじゃないのか」

「ち、違うよ。私は本当に」

「ふうん。じゃあ証明してもらおうかな。俺の目の前でオナニーして、『拓郎、愛してる』って言えよ」

美也は顔を真赤にして俯いた。

「それくらい出来るだろ」

拓郎が強要すると、美也は拓郎に向かって足を開き、ぷっくりと膨らんだクリトリスと膣襞を、自分で弄るところを見せ始めた。

「た、拓郎。好き。愛してる…」

「俺と離れてる間、そうやって自分を慰めてたのかよ」

「……」

「ちゃんと言えよ。」

「うん…」

「続けろよ」

美也は人差し指と中指を自らの膣の中に入れて、ジュプジュプと掻きまわした。もう片方の手を、小振りだが形の良い乳房を掴み、乳首を弾いていた。

「拓郎…。拓郎…。本当に好きなの…。戻って来てぇ…」

付き合っている頃には想像が付かないほどの痴態に興奮していたが、やはり拓郎の陽根に海綿体が集まる事は無かった…。

「もっと言えよ」

「拓郎、好き。大好きぃ…」

美也が身をくねらせ、一人でギシギシとベッドを軋ませているところに、ガチャッと扉が開く音がした。1Kの狭さで、リビングにベッドを置いている部屋では、戸を開ければ玄関から美也の痴態が丸見えだった。

「うふふ、真っ最中!」

奈未はおどけた声を上げた。

「イヤ!なんで奈未がここに…!?」

美也は慌ててブランケットを羽織った。

「なんでって。私、拓郎の彼女だもん。寝取ってるのはあんたでしょ」

拓郎が驚いたのは、奈未の後ろに「隣人」が立っていたからだ。そう言えば、いつの間にか隣から漏れていたテレビの音が消えている。

「うふふ、ドアの前で物欲しそうにしてるから、入ってって言っちゃった」

「そんな、僕はただ、文句を言おうと…」

美也は救いを求めるように拓郎を見たが、拓郎は目を逸らした。

「拓郎!どうしたの。なんでこの二人追い払ってくれないの?」

「知らねえよ。俺の部屋に誰を入れても自由だろうが。」

拓郎は投げやりに言った。

「そんな。どうしてそんな酷い事言うの…」

涙ぐむ美也に、拓郎は言った。

「俺は、やっぱりEDだよ。それでもずっと一緒に居てくれるのかよ。結婚してくれるのかよ。一生治らなくても良いなら、今美也の父親に電話して俺の事紹介してくれるなら、美也の事許すよ。どうする?」

「そんな…だって奈未は…」

その時、全てを察した美也は、奈未を呆然と見つめた。

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