不能の果て~彼女の本性を知った僕~ 第③話

自慰性愛

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唇に、拓郎が自分でも情けなるほど萎びたままのイチモツを含みながら、奈未は、彼を気遣うように優しく訊いてきた。それでも、拓郎は胸に針を刺されたようで、しばらく返事をしなかった。無言を是と受け取った奈未は、

「なあんだ、早く言ってよ」

と笑いながらベッドに横になった。

てっきりバカにされるものと思っていた拓郎は、

「怒らないのか」と奈未に聞いた。

「なんで、怒ることじゃないじゃん。むしろなんで急に浜辺さん(美也の名字)と別れたのか、分かってスッキリよお」

傷心を抉られ、拓郎は

「俺はまだ別れたつもりは」とムキになりかけたが、ぐっと下唇を噛んだ。

奈未は、キャンパスでは見たことのないほど真剣な面持ちで、拓郎を見ていた。

稍あって、

「‥‥悪いけど、浜辺さんの事は諦めた方が良いよ」

「なんでそんな事言われなきゃならないんだ」

奈未は溜め息を吐いて、拓郎が気付かぬうちにバスローブを羽織り、枕元の灰皿を引き寄せ紫煙をくゆらせた。

「なんでって、あの子は不幸知らずのお嬢さんだからさ、人を憐れむのが大好きなんだよねえ」

「は?」

「見た目が清楚で可愛いから男は騙されるんだろうけど」

「どういうことだよ」

「んー、つまりね。男の子には難しいかもしれないけど、浜辺さんは今まで両親が総合病院の院長さんで、一人娘で可愛くて ちやほやされてきたからね。

「だからなんだよ」

「…『持たざる者』を憐れむ事はしても、身を呈して人を助けるような事はしないよってコト」

奈未は、低い声音で、拓郎は噛んで含めるように言った。

「なんで、お前にそんな事分かるんだよ」

「なんでって‥‥高校の時そうだったからだよ。」

「なんだよ、高校のときの話か」

「そうだけど。拓郎君を見てて、今も変わってないんじゃないかって思うんだけど。私、高校では、手術の副作用で心荒んでた上に、学校でもアバズレだってイジめられて、最悪だった。人望もあって、才色兼備で、しかも病気の事分かってくれてた筈の浜辺さんにね、助けてとは言わないよ。ただ話し相手になってほしくて、話しかけた事あるけど、『ごめん』とか言って、目も合わせてくれなかったのよね。それからは、学校じゃ私を避けるのに、いつも私を可哀想な目で見るようになった。イジめられるのも辛いけど、一方的に手を差しのべる価値がないヤツって決めつけられたみたいで、私アイツが一番嫌いになったよ。ただ環境に恵まれてただけのくせに、高座に座って、人を憐れんで、何様のつもりよ」

「‥‥」

大学で見せる軽佻浮薄な雰囲気と一変し、剣呑な顔付きになった奈未に、拓郎はかけることばが見付からなかった。ただ、拓郎も、EDだと分かった途端、つれなくなった美也を思い出し、奈未の話を一蹴する事はできなかった。

「ふうん、優しいじゃん。拓郎君。やっぱり美也の事まだ好きなんだ。」

「俺は…」

「ねえねえ、復縁に協力してあげようか?」

美也を恨んでいる風の、奈未からの意外な提案に、拓郎は虚を突かれた。

「え?協力?」

「そう。まあ上手くいくか分からないし、拓郎君の望んだ形じゃないだろうけどね」

「なんだよ、それ。何企んでるんだよ」

「うふふ。分かり易く言うと、あの鼻もちならないお嬢さんに、復讐してやりましょうよってコト」

「ふ、復讐?」

「そうだよ。単純な話、拓郎君が成績首位で、カッコ良くて、しかも女の扱い方もうまい、パーフェクトクトな男だったら、美也はまた拓郎君に擦り寄ってくるよ。美也は情に厚く才色兼備なお嬢サマ!に見えて、実はプライドは超高いし、身に付けるモノも男も、そしてセックスも、一級品じゃないと嫌な子なの。美也とセックスしてたんなら、美也が実は男好きなの知ってるでしょ?それを逆手に取って、ちょっといたぶってちゃおうよ。美也だって自分が傷付けば、少しは他人の痛みが分かるようになるかもしれないよ」

「……」

どうやら、昔奈未に彼氏を盗られた、という奈未の話も、本当のようだ、と、腑に落ちた。奈未は高校時代から今まで、ずっと恨んでいるのだ。それでも拓郎の彼女だった美也を陥れようとする奈未に僅かに嫌悪感を抱きながら、美也に一泡吹かせるという奈未の作戦に惹かれてもいた。

「でも俺は…他の事は努力でなんとかなっても、EDはそんな簡単に治らないだろ…」

苦渋に顔を歪ませながら、拓郎は呟いた。

それから、気付けば二か月が経った。拓郎は、奈未の言う通り、期末考査でトップの成績を取り、ファッションにも気遣った。すると、美也から数か月ぶりに連絡が来た。

「話があるんだけど、今日拓郎の家に行ってもいい?」

奈未の言う通りだ。屈辱と嬉しさが綯交ぜになった複雑な心境で、拓郎はスマホを眺めた。奈未はここ数か月、女子学生の間に、拓郎と付き合っていてセックスする仲だという噂を流していた。

ラブホテルで奈未の計画を聞いた拓郎は、当初「そんなに上手くいくか」と訝った。

「さあ、分かんない。まあ、美也があっさり乗ってきたらその時は私の言う通り、外面の良いミーハーってコトよ」

拓郎は、自分で出来ないフラストレーションを、奈未に目の前でオナニーさせる事で晴らしていた。美也が拓郎に再び接近してきたら、セックスの時に、美也にも同じ事をさせてやろうと言うのだ。

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